留学生の声

「日本で感じたいろいろ」

青森大学 総合経営学部経営学科4年生

張 詠筑(台湾)

aomoriu

 日本に来てから、これまで本やインターネットで見た日本や理解した日本文化をやっとこの身をもって感じることができました。この約二年間の留学生活を振り返ると、自分は多くのことを勉強し、成長できたと思います。

 その成長の理由の一つとして考えられるのは、それまで学んだ日本語を見直せたことです。日本に来て、身近に日本人と接しているうちに、自分が学んだ日本語を場面によって適切に使うのは難しいと感じました。どんな場面でどんな言葉を使うかしっかり見分ける必要があると実感しました。また、日本人の若者の会話を聞いたり、あるいはテレビを見たりしているうちに、日本語が変わっていることに気づきました。たとえば、新しい言葉の出現、略語の使い方、単語の使い方や意味の変化、外来語と敬語の大量使用など、いろいろありました。それに対して、私はというと文章を書く日本語は大丈夫でしたが、話す日本語は少し硬く古く感じられました。文章を書くための言葉はたくさん覚えましたが、生活に必要で簡単な日本語をうまく使うことができませんでした。これらの問題を発見したおかげで、これから日本語を勉強するのにはどう努力すればいいのか少し分かったような気がしました。それからは努力の毎日でした。

 約二年間の生活で、日常生活のいろいろな面から日本や日本人を以前よりもっと理解できるようになりました。日本人は、環境を大切にして、空間と資源を最大限に利用します。他人と付き合う時、礼儀を重視して、お互いに一定の距離を保ち、相手の私的生活に深入りしないです。たぶんそのために、日本人はほとんどの人がやさしく、過激な言葉を使ったり、失礼な行動をとる人は少ないです。ですが、授業の時、全然学生を見ない先生やずっと頭を下げたままで発表する学生を見たとき、どうしてなのかと感じました。女友達同士でも一緒に遊ぶ時、ボディータッチが少なくて、手を繋ぐことや腕を組むことはほとんどしません。台湾人に比べると、日本人はちょっと内向的な民族だと思います。

 留学のおかげで、日本を内側から見ることができて、あらためて自分はもっと日本のことを知るべきだなと感じました。世界で日本が愛されるのはアニメやマンガといった文化だけではなく、伝統的な日本の文化や日本人の精神に触れられるからだと思います。日本人が日本の文化を大切にするように、私も台湾の伝統や文化を大切にし、また深く学び、それを外国の皆さんに伝えられるようになりたいと思います。

 何よりも、留学したからこそ出会えた、すばらしい友達がたくさんいました。今までの友達とはまったく価値観が違う人たちに会えて、「一緒に何かをするうちに少しずつお互いをわかり合うことができた」という経験は留学でしか得られない最高の喜びでした。このことを教えてくれた大切な二年間の留学生活でした。

 

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