留学生の声

青森はリンゴだけじゃない

青森中央学院大学 経営法学部3年

チャン クンイー(マレーシア)

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 来日する前にマレーシアの短期大学を卒業して、銀行員や小学校教師を務めていました。留学したきっかけは東京に留学していた友達がマレーシアに戻り、いろいろな日本の面白いことを教えてくれて、自分も人生で一度留学したいなと考えました。それに、私は人と交流することが大好きで、マレーシアの短期大学在学中に日本からの交換留学生と話したことがありました。言葉もちんぷんかんぷんでわからず、何とか交流はできましたが、その時に自分は四ヶ国語も話せるのに、意志の疎通ができないことに衝撃を受け、逆に日本に留学したいと思いました。

 その友達を通して、日本語の勉強を始め、五十音や基本文法を習いました。その後青森中央学院大学に留学することに決めましたが、青森について全く知識がありませんでした。日本人の先生に青森の事を尋ねると、「青森はりんごだよ!」とおっしゃいました。

 その三か月後、私の人生初の留学生活が始まりました。時は2013年9月です。ちょうど秋の時期に入り、南国から来た私にとっては多少の温度差でも過ごしにくかったです。冬に入って状況は更に悪化し、39度の高熱を出しました。青森は山々に囲まれているので、冬は寒いし、日没はどこよりも早いし、その時は本当に「青森を出たい!」という気持ちが強かったです。

 日本に来て人生初のことがいっぱいでした。例えば、地震や雪や紅葉などです。しかし日本は面白いですが、刺激が少ないと思いました。そんなある日学校のボランティアに応募したことをきっかけに、人生の青森生活の新しいページが開きました。それは青森地域活性化協会主催の自転車イベントで、青森市内から十和田湖まで一周するライドでした。自転車に乗って、とんでもなく高いところまで登るのは一度も考えたことがありませんでした。しかしそのイベントをきっかけに、登りの苦労や、一緒に参加した人達に魅力されて、私も自転車に乗り始めました。

 これを機に私も大学初のサイクリングサークルを作りました。部員は14人です。自転車に乗って、青森は面白いところだなと思い始めました。車を持っていない私はほぼ毎週自転車で酸ケ湯、浅虫、夏泊半島、弘前などに行っています。青森の観光地は大体離れていますので、自転車で移動して、路上の風景やグルメがいっぱい堪能できるのは青森ならではの魅力です。現在青森県庁の青森観光戦略課も青森サイクリングツーリズムに力を入れて、全力で全国に青森の魅力を発信しています。私もそれに協力しています。

 私は自転車でほぼ青森県内の観光地に行ってきました。一番つらかったのは青森市内から大間までのライドです。朝六時に出発し、帰ってきたのは深夜十二時の360キロのロングライドです。ライド中雨に降られたり、風に吹かれたりしても、仏ヶ浦やマグロ一本釣りの大間が堪能できてそれはなにより思い出となりました。

 私は現在、サイクリングガイドになるよう頑張っています。来年2016年の北海道新幹線が開業すれば、全国からの自転車観光客がもっと増えるでしょう。私も青森の住民として、青森の魅力を全国の人達に見せてあげたいと思います。

 青森はリンゴだけじゃなくて、生産量日本一のにんにくとカシス、世界遺産の白神山地、太宰治の故郷芦野公園、三陸復興国立公園の種差海岸、風の岬竜飛崎などがありますよ!

 

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