留学生の声

夢へ一歩

八戸工業高等専門学校 物質工学科4年

ゾリグトバトル マナル (モンゴル国)

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 モンゴルから日本に留学して二年半経ちました。日本に来る前の自分と今の自分を比べてみると大きいな変化に気がつきます。

 六年前のことです。私の母がある学校に私を受験させました。合格して入ったその学校は「新モンゴル」という日本式の高校でした。侍、桜とロボットくらいしか知らなかった日本に近づくきっかけはその高校でした。

 漢字、ひらがななどを始めて勉強し、学校に入るとき靴を脱ぐことや挨拶のときお辞儀するなど異文化を少しずつ学んでいました。先生たちは日本に留学させるためにそうして私たちを支えていたのです。高校の時、がんばって勉強して奨学金をもらい日本に留学するのがみんなの大きいな夢でした。

 今私は日本に住んで、日本語で授業を受けて、日本文化で生活しようとがんばっています。6年前の夢で見たのと違って日本に来るだけでは幸せになれませんでした。勉強がもっと難しくなり、モンゴルの文化とはぜんぜん違う文化に慣れようとするのが時々辛いことをよく感じています。ある面では私の高校の夢が叶えたと言えるが、叶えた夢が小さかった気がします。

 それは周りを見る見方がかわっただけではなく、想像もできなかった機会がどんどん出てきたからだと思います。たとえば、今年は全国高専からの生徒たちと一緒にマレーシアを見学することができたのと春休みをアメリカで過ごしたなど六年前の自分が夢でも見たことがないすごい時間を過ごしました。

 目標に達したときの幸せが、そこに達するまでの辛さの量と同じであることをだんだん分かってきました。自分が何かに成功するほど、新しい機会がますます増え、成長するほどもっと何かがほしくなります。

 夢は叶え終わるものではない、近づくほど広がるものです。
 今の私の夢は、世界をまわって旅行する、アメリカで大学院に勉強することや誰にも頼らず明るい将来を自分で作ることです。

 日本に来るだけでよかった6年前の夢は、だんだん成長してここまできたのです。6年後の夢はどうやって変わるか分からないが楽しみに待っています。

 最初に述べたように昔の私と今の私を比べると大きく変化したのが、やはり夢です。
 夢へ一歩一歩進んでいるうちに出会った人々、乗り越えた困難、そこから得た経験が今の私を作ってきたので、今からも幸せと辛さの中から将来の私が生まれるだろうと思います。


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