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青森県の海外戦略と留学生の活用について青森県観光国際戦略局 国際経済課長 小山 宏 |
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今回の寄稿では、留学生をはじめ「あそさ」読者の皆様に、海外市場からの外貨獲得をねらいとした青森県の新たな3つの海外戦略と留学生を活用した取組について紹介します。 3つの海外戦略策定にあたっては、長引く景気低迷や少子高齢化社会への移行等により、今後国内の需要や消費市場が確実に縮小していくことが背景となっています。 このような厳しい経済環境の下で、持続的・自立的な地域経済を実現するためには、経済成長が著しい海外諸国の市場に活路を見出していくことが本県においても重要となっています。 そのため、県では、中国をはじめとする東アジアや東南アジアをターゲットとし、①りんごを始めとする本県の安全・安心で高品質な農林水産品や豊かな観光資源を『青森ブランド』として確立し、中華圏の富裕層に売り込んでいく「青森県中華圏取組戦略」、②アジアの経済成長を取り込み、県産農林水産品の輸出を倍増して生産者・事業者の所得向上を目指す「青森県農林水産品輸出促進戦略」、③経済発展に伴う海外旅行ニーズの高まりを見せている東アジア諸国からの観光客誘致を拡大していくことにより、とことん元気な観光産業の創出を目指す「未来へのあおもり観光戦略」の3つの海外戦略を平成22年度に策定しました。 これらの新たな戦略の推進にあたっては、海外ビジネスに取り組む県内企業を産み出す環境を整えることや、青森ならではの観光資源、農林水産品等の魅力を広く海外に発信していくことが必要となることから、昨年度から県内と海外をつなぐ架け橋となる県内在住のアジア圏の留学生を活用した様々な取組を行っています。 主な取組をあげると、まず、県内企業と留学生の交流の場となる「企業と留学生の交流フェア」を多くの留学生が住む青森市と弘前市で開催しています。 これは、留学生を活用する企業の先進事例や企業に就職した留学生の体験事例の報告や、県内企業と留学生との意見交換会等を行い、互いの理解を深めることを目的としており、平成23年度は県内企業24社、留学生48人、平成24年度は県内企業19社、留学生30人の参加を得ることができました。 また、アジア圏の見本市や商談会に自社商品を出品しようとする県内企業等に対しては、留学生が母国における消費者の一人として、事前にその商品の試食・評価等を行う「留学生テストマーケティング」を実施しており、出品企業等は評価結果を必要に応じ海外向けの商品の改良等を行に役立てています。 平成23年度のベトナム市場・中国市場開拓向けのテストマーケティングでは、延べ12社1団体22品目の試食品等を23人の留学生が試食・評価等を行い、平成24年度は、開催予定3回のうち1回目となる中国市場開拓向けのテストマーケティングにおいて、8社1団体15品目の試食品等を15人の留学生が試食・評価等を行っており、出品企業等からはともに有意義であったとの評価を得ております。 青森の魅力の情報発信の取組としては、留学生が、県産品や県内企業、観光名所等を取材し、母国語でその情報をブログにアップしていく「母国語ブログ情報発信」を行っています。 平成23年度は、韓国、中国、台湾、ベトナムの留学生が82ブログをアップし、平成24年度は、8月時点で75ブログがアップされています。 以上皆様には、県の新たな海外戦略と留学生を活用した取組の一端をご紹介しましたが、「世界とつながる青森」、「東アジアの青森」を意識して、県内の事業者・企業の海外ビジネス展開や海外からの誘客促進などを進めている私どもの取組にご関心とご理解をいただければ幸いです。
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